「誰にでも、忘れられない夏がある。」
先ちょっと前に何となく映画を見ようと思い、ペンギン・ハイウェイを見てから原作を買い読了しました。
この映画を見て最も感じたのは、見る世代や感性によって感想が変わりそうだなということです。実際一緒に見に行った人と印象に残っているセリフやシーンが結構違いました。
原作は「夜は短し歩けよ乙女」等で有名な森見登美彦さんです。
この作品で一番印象に残っているのは、主人公であるアオヤマ君のお父さんでした。
映画を見た方にお父さんはどのように写ったでしょうか。
私には教育者である親としての距離感が絶妙で、課題にぶつかりながら悩むアオヤマ君に対し問いを投げながらも解決へ促す、そんな姿勢がとても印象に残っています。
お父さんの教えから学んだこと
アオヤマ君が問題の解決へ向けて様々な調査をしながら物語は進みます。
問題の解決の大切な教えをお父さんが示していて、これは自分も意識しなければと映画を見ながら考えていました。
父の三原則
- 問題を分けて小さくする
- 問題を見る角度を変える
- 似ている問題を探す
映画ではこれが机の前に貼ってあり、アオヤマ君が大きな問題にぶつかったときの解決法としてお父さんに教わったものです。
小学校4年生でこれを実践できるアオヤマくんは賢いですね。
この三原則はプライベートでも仕事でも使える考え方だなと思いました。
特に問題を分けて小さくすることはどんなことにでも使える汎用的な考え方ですね。
親としての姿勢
アオヤマ君のお父さんは具体的な問題について聞いたり答えを教えるようなことをしません。その姿勢に学ぶべきところがあると感じました。
それは「答えを教えることが相手のためになるとは限らない」ことです。
アオヤマ君は物語で大きな問題を抱えていて悩み続けますが、お父さんは常に問いを投げかけます。
よく言われる言葉ですが、「魚が欲しければ魚を与えてもらうのではなく、魚の釣り方を教わるべき」と同じ視点ですよね。
答えを教えるのは簡単で手っ取り早いですが、将来的にはその答えまでたどり着くための思考を教えるほうが、相手の為になると考えているのだと感じました。
そこでアオヤマ君は問いをヒントとして、自ら答えを導き成長していきます。
問題を聞いて答えを教えるだけであれば、自ら考えて答えを出すという成長はありません。
映画も原作もじっと見守る絶妙な距離感が描かれているので、ぜひ見てみてください。
アオヤマ君から学ぶこと
アオヤマ君を見ていてハッとさせられた言葉がありました。
他人に負けることは恥ずかしいことではないが、昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ。一日一日、僕は世界について学んで、昨日の自分より偉くなる。
この考え方、当たり前だけどすごいと思いませんか?私は映画でこの言葉を聞いたときに自分が少し恥ずかしくなりました。
あくまで自分をものさしとして、今日たくさんのことを学んで成長すれば明日は今日の自分より成長している。
けど何も学ばずに次の日を迎えることは、時間を浪費しただけで昨日の自分より劣っている。それは恥ずかしいことだって言ってるんですよね。
座右の銘にしたいくらい良い言葉です。
まとめ
ペンギン・ハイウェイ純粋に面白かったです。
特にお父さんがいい味出してました。アニメは世界観と小学生の夏休みというワクワク感が詰まってますね。原作は文章ならではの余韻が素晴らしいです。
小説、映画どちらも子供が見れば冒険するようなワクワク、親が見れば教育者の姿勢を見ることができるいい作品でした。
映画はAmazonプライム会員なら見れるので是非見てみて下さい。
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