SIerで働いているけど面白くなくてモチベーションが上がらない…
SIerで働いている人はこんな気持ちになることもあるのではないでしょうか?
私もSIerでSEとして働いていて、「仕事ってつまらないな」と感じていました。
本記事ではなぜSIerの仕事がつまらないと感じるのか、それにどう解決するべきなのかを実体験から紹介します。
SIerでの仕事がつまらないのは、色々と理由はあると思いますが、行動すればすぐに解決できることもあるかもしれません。
私は結果的に転職するという方法で解決しました。
SIerがつまらないと感じた5つの理由

私がSIerで働いていたときにつまらないと感じたのは、以下の理由があります。
- 新しい技術・ツールを取り入れない
- 技術軽視の環境
- エクセル、パワポ主義
- セキュリティの厳しさ
- 開発を協力会社へ丸投げ
理由1:新しい技術・ツールを取り入れない
SIerの仕事は納期が顧客と明確に決められているので、プロジェクトのリスクを下げるために採用する技術やツールは「実績があるか」が重要です。
実績がないものは想定外のトラブルになるリスクがあるため、基本的には採用されません。
そのため、SIerでは一般的に「枯れた技術」や、古臭いツールが横行しています。
また、SIerには技術が好きな人は少数派なので、新しく取り入れようという動きもとても少ないです。
SlackやGit、Dockerといっても知らない人が大半で、どんなに便利だとしてもセキュリティ面やそのメリットを理解できない人が障害になり、導入されることはありません。
こうしたIT会社なのに新しい技術やツールが使えないという環境は、技術に興味がある人ほど面白くないですよね。
理由2:技術軽視の環境
新しい技術を取り入れる動きがないことからも分かりますが、技術(主にプログラミング)に対して軽視している人も多いです。
そういった人は中年以上の人で、自分ではコードが書けない人だったするのですが…
システムを作る仕事をしているのに、コードを軽視するのはちょっと理解できませんでしたが、SIerではある一定数存在します。
昔からSIerでは上流工程が偉く、下流である開発は下請けがする仕事という上下関係が存在しているのが原因です。
しかしこれからの時代はクラウドが更に活用されて、最近システム構築のスピード感がどんどん早くなってますよね。
そうした中で、技術を軽視している人が多くいる会社が生き残れるのか、という疑問を感じてしまいモチベーションが下がってしまったことがありました。
理由3:開発を協力会社へ丸投げ
技術を軽視していたなごり、文化があるため、実際にコードを書く開発は協力会社と呼ばれる下請け会社に全て丸投げします。
じゃあ何をしているの?というと進捗管理が主な業務になります。
こんなことをしていると、社内に技術的な知見がないため、顧客との打ち合わせに協力会社を連れてきて技術的な部分を全て任せる、なんてことをしている人もザラにいます。
こんなことやっているなら、うちの会社を仲介せずに協力会社が直接受ければいいのでは?と感じたことは1度や2度ではありません。
実装力がなく、技術的知見も蓄積されないため、どのプロジェクトでも同じようなことが起こります。
その上協力会社の人たちより見栄え上の人件費(SIerでは人月と呼ばれます)は自分たちの方が高いんですよね。
進捗管理しかしない、技術的知見はない、開発は丸投げという環境で人件費だけは高く付いているのを見ると、存在意義について考えてしまいました。
理由4:Excel、PowerPoint至上主義
SIerは徹底したExcel、PowerPoint至上主義です。
プロジェクトの進捗・課題管理はもちろん、設計書や手順書まで全てExcelという徹底ぶりです。
そのためSIerの業務はほとんどExcelと格闘しています。
Excelが悪いツールというわけではないですが、なんで表計算アプリで設計書や手順書、進捗管理しているのかがわかりません。
正直もっと便利なツールはいくらでもあるのになぁ…と思いながら慣習に習ってExcelで資料作成をするはめになります。
セルの結合やマス目の調整など見栄えを重視する必要がある資料を作っていると、「なんでこんなことしてるんだろう」という気持ちになりますよね。
また、PowerPointは社内の報告資料として作成することが多いのですが、見栄えのよい資料作成が求められます。
こちらも社内向けなのに、課長、次長などへのレビューをして、さらに修正したのをまた打ち合わせに時間を作ってレビュー。
本質とは違う部分の修正をしている時間は、つまらないなぁと思わずにはいられませんでした。
SIerはMicrosoftなしでは生きれない体にでもされてしまったようです。
理由5:セキュリティの厳しさ
これは人にもよりますが、金融系などではセキュリティの厳しさから様々な制約が生まれます。
情報漏えいなどの問題が起きた時は、大きな問題に発展することもあるため、当然といえば当然なのですが、これがつまらない原因でもあります。
- 新しいツールを導入する場合は、リスク管理部門から承認が必要
- クラウド上の開発環境すらオフィスからしかアクセスできない
- ファイルのやり取りにパスワードが必須(案件ごとにバラバラ)
- 社内から技術系のサイトにも制限が掛けられている
これらは一例ですが、こういった煩わしく感じるようなセキュリティ対策がいくつも存在します。
もちろんこういった対策がいらないと言っているわけではありません。
ただ、昔効果があると考えて実施している内容を慣習で行っているだけで、実際は何の意味もないこと、作業効率を考えれば他の方法が良いことはたくさんあったりします。
しかし、セキュリティ周りについては誰も責任を取りたくないため、積極的に変更していく動きもありません。
本当であれば、最新の動向や現場の作業効率を考えるべきではありますが、組織の大きさからスピード感もありません。
意味があるのかわからないセキュリティ対策に制限されて業務を行うのは、ストレスが溜まります。なによりつまらないなと感じてしまいました。
SIerがつまらないのはエンジニアらしさがない

ここまでつまらない理由を5つほどお話しましたが、つまらない根本的な原因は「SIerにいる人はエンジニアらしさがない」からかなと思っています。
「そもそもそれならSIerに入るなよ」と言われそうですが、私も入ってみて初めて気付くこともありました。
もっとシステム構築に携わるというのは、顧客にとって最適なものを技術を利用しながら作っていく。
そんなクリエイティブなエンジニア像が少しはあったんだと思います。
しかしSIerで働いてわかったことは「SIerで働くひとはエンジニアのような専門職ではなく事務職のサラリーマンである」ということでした。
もちろん一部の組織、一部の会社は新しいトレンドにも対応するために、日々努力してキャッチアップを続けている人もいらっしゃいます。
ただ、ほとんどのSIerは多くの制約の中で枯れた技術を採用し、開発は丸投げになっているんじゃないでしょうか。
SIerの「つまらない」を解消するためには

つまらないとはいっても、それだけで終わってしまってはただの愚痴になってしまうので、自分なりに納得できる解消法を見つけましょう。
私は以下の3つが少しでも「つまらない」を解消できるかなと思っています。
- 能動的に面白いと思えるものを導入する
- 技術を学べる部署へ異動する
- Web系などへ転職する
少しでも「つまらない」をなくすには、とにかく行動して自分が満足できる環境に近づけていく必要があります。
能動的に面白いと思えるものを導入する
社内の業務でつまらないと思っている部分は、能動的に新しいものを導入してみるのも1つの手だと思います。
リスク管理部門などに承認を得るなど面倒なこともあるかもしれませんが、メールではなくSlackなどのチャットツールを導入するだけでも大きな変化があるはずです。
プロジェクト管理をBacklogを採用して、課題管理や進捗を全てSaaS上で完結させるなどもいいですね。
少しずつでも自分が面白く仕事ができるように変化させていくことは、自分の力でもできることだと思います。
ただしセキュリティに厳しいSIerは、恐らくこういったツール導入のハードルが高く大変な場合があります。
実際に私もやろうとしたことがありますが、上司やリスク管理部門を納得させるだけの資料作成や導入メリットを提示する必要があり骨が折れました…
金融系などセキュリティに厳しい場合は、他の方法で「つまらない」を解消するほうが無難かもしれません。
技術を学べる部署へ異動する
社内に技術を学ぶことができる部署があれば、異動願を出してみるのとつまらないと感じていることから開放されるかもしれません。
私も1年目は勘定系のシステムでつまらないなと感じていましたが、その後新しめの技術を推進する部に異動になり、充実した業務経験を積むことができました。
人事の気分次第という大きなランダム要素はありますが、強く意思表示をすることは大事だと思います。
技術的なことが身に付かないことに悩んでいる、つまらなさを感じているのであればオススメの方法です。
あくまでも同じ会社なので、セキュリティ面の煩わしさは変わりませんが、新しい技術に触れるというのは大きくモチベーションを上げてくれるはずです。
Web系などへ転職する
最後の手段ですが、SIerがつまらないなら転職しちゃいましょう。
一番効果が大きく、自分の行動だけで完結するので結果的に一番楽でした。
ツールの導入や異動は一部は変えられても根本的な「会社」という部分は変わりません。
先程5つ上げたつまらない理由に「分かる!」と思った人は、Web系に転職する方が幸せになれる気がします。
私の場合はWeb系ではありませんが、自分の要望を満たせるクラウド専門の受託会社へ転職しました。
SIerの業界でコーディングをしたいとなると下請けにいくなどキャリアダウンになる可能性があるので、やっぱりWeb系が選択肢になりますね。
現状につまらなさを感じているのであれば、異動願を出すよりも良い環境の職場へ転職するほうが早い可能性もあります。
もちろん転職には一定のスキルは求められるため学習は必要になりますが、市場価値を上げる意味でもエンジニアとして勉強は必須だと思います。
SIerに居続けてExcelとPowerPointしかできないおじさんにならないよう、するしないは別にしても転職は視野に入れて行動することをオススメします。
まとめ:「つまらない」を解決するためには行動しよう!

本記事ではなぜSIerの仕事がつまらないと感じるのか、それにどう解決するべきなのかを実体験から紹介しました。
要点をまとめます。
- 能動的に面白いと思えるものを導入する
- 技術を学べる部署へ異動する
- Web系などへ転職する
SIerは正直つまらないと感じる業務も多く、会社の存在自体が無駄では、とまで思うこともありました。
そういった会社は今後クラウドなどの技術の発展とともに規模が縮小されていくのでは、と個人的には思っています。
終身雇用が終わった今、年功序列にあぐらをかいていられる時代ではありません。
少しでも自分を磨き続けないと、市場価値も落ちるだけです。
何も変わらないことにつまらなさを感じているのであれば、1つでもできる範囲で変える努力をしていく必要があると思います。
そんな考えで転職した私の経緯や転職活動はこちらで記事にしていますので参考にしてみて下さい。

読んで下さりありがとうございました。